【今週のサンモニ】「再エネありき」「反原発ありき」の時代は終わった|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「再エネありき」「反原発ありき」の時代は終わった|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


膳場貴子氏:そもそも洋上風力というのは再生可能エネルギーの切り札ですよね。国の戦略を見直さなければいけなくなってしまうのでしょうか。

元村有希子氏:政府とか県知事の物言いは、裏切られた感を凄く出していますけれど、実際、これは戦略の一つなんですよね。
民間企業に全部を担わせる仕組みが適切かということを考えなければいけない。エネルギー基本計画で、再エネをこれから増やして行こう、今後15年間で8倍に増やして行こうと国が約束をしているんです。そのなかで民間企業としてはリスクが取れないという撤退をどう受け止めるかと思います。

そもそも変動性再エネの場合は、建設コストの他に次のような莫大な統合コストがかかります。

①プロファイルコスト(変動性再エネの発電量が上下することに伴う、既存火力等の運用変更と発電効率低下に伴うコスト)
②バランシングコスト(変動性再エネの発電量が予測不可能なことに伴う、既存火力等の発電量の調整や予備力の確保に伴うコスト)
③系統・接続コスト(変動性再エネの適地と需要地が一致しないことに伴う基幹系統整備費用や基幹送電網につなぐコスト)

https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/mitoshi/cost_wg/2024/data/04_06.pdf

その結果、原子力や火力といった電源と比べて破格のコストとなるのです(見掛け上のコストはLCOEですが、実際にはFull-system LCOEが必要となります)。

このような状況下で、建設費が倍増したということは、そもそも発電インフラとしての事業見直しが必要であるということです。

ただでさえ高価な風力発電が、さらに高くなることで損害を受けるのは、電気代を支払う住民です。3年後のエネルギー基本計画の見直しを見据えて、事業廃止の選択肢をもって再検討するのが妥当であると考えます。

再エネ賦課金は弱い者いじめ

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