【今週のサンモニ】反原発番組の真骨頂を発揮!|藤原かずえ

【今週のサンモニ】反原発番組の真骨頂を発揮!|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。能登半島地震をめぐる志賀原発に対するイチャモンを大展開!


番組制作者の陰湿な悪意

さらに『サンデーモーニング』は、「原発は長期間運転停止中で北陸電力は安全性に問題がないとしていますが」と続けました。これは「もし原発が運転中であったら非常時の電源が失われて惨事を招いていたかもしれない」という誤ったシナリオを一般視聴者に想起させるものです。番組制作者の陰湿な悪意を感じざるを得ません。

加えて、スタジオトークにおける毎日新聞・元村有希子氏のコメントも北陸電力の発表を曲解して、原発の安全性を無理やり貶めるものでした。

元村有希子氏:原発の話をしたい。「想定を超える」という福島の時に何度も聞いたような言葉がたびたび出てきている。しかも、今回北陸電力は発表するたびに被害の程度が大きくなるという情報公開に大変な課題を残している。

何が想定外だったというと、まず揺れだ。一部で想定を超える故が観測されたこと。想定以上に変圧器の故障が悪くて油が流出したこと。さらに避難に直結するが、周辺の放射線量を測るモニタリングポストが一部使えなくなった。こうしたことを「想定外でした」「でも今回は運よく大丈夫でした」というのでは住民は安心できない。

まず揺れについて、地震波には様々な周波数を持った波が含まれています。

原発内の構造物はそれぞれ固有の地震特性(固有周波数)をもち、そのうち特定の周波数帯の波(共振周波数)にのみに応答して共振します。今回の地震はで想定を超えたのは、1号機・2号機ともに東西水平方向で0.47秒の周期であり、その加速度は1号機が918ガルの想定に対して957ガル、2号機は846ガルの想定に対して871ガルでした。

ただし、その周波数帯の波に応答する原発の安全上重要なSクラス施設(原子炉容器・原子炉格納容器・制御棒・非常用発電機など)は存在しませんでした。つまり安全性は確保されていたわけで、安全性と無関係な周波数を含めて想定を超えたとするのは必ずしも公正ではありません。

ちなみにSクラス施設は基準地震動に対して建築基準法の3倍の力に耐えられるように設計して、建設されています。元村氏のコメントは不必要に一般視聴者の不安を煽るものです。

次に変圧器は、発電を行うタービンや発電機などと同様、建築基準法で規定される力に耐えられるように設計されているCクラス施設です。Cクラス施設の被災は原発の安全性を揺るがすものではなく、損傷するのは想定の範囲内です。

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