目加田説子氏:今回の会見で禊が済んだと思うかと言えば全く逆で解体的な出直しは全く見られなかった。到底納得できない。被害者の救済が繰り返し言われるが、被害者は誰なのか。根底には我々の人権意識の弱さが日本社会にあって、それで、メディア側の責任やCMとして起用してきた企業の責任も問われる必要がある。社会全体で我々はこの問題を今後どういうふうにしていくかを考える必要がある。
番組で禊をして、被害者に賠償していただきたいのは「汚染水放出デマ」を流した目加田氏の方です。被害者は当時者だけでなく、風評被害対策に1千億円も払わされる羽目になった国民も到底納得できません。
ジャニーズ問題に関しては、公共の電波を独占するテレビが報じてもない事案で、国民や企業が人権意識の低さを問題視され、責任を取らされるのは理不尽の極致です。一体、自分を何様だと思っているのでしょうか。
青木理氏:得体のしれない空気にメディアも完全にのまれていた。これは芸能報道だけやジャニーズ問題だけの問題なのか。かつての一強政権下でいろんなキャスターの方が辞めた。忖度と萎縮と無縁ではなかった。報道の自由度ランキングで日本は70位になっている。これは勿論政権が定めた特定秘密保護法なんかも理由になっているが、国境なき記者団の選評を見てみると、日本のジャーナリストは概ね安全な取材環境を享受していると。自主規制で報道の自由度ランキングを下げていると。
そう考えると、芸能だけでなく、政治に対しても、ありとあらゆる権威に対して我々ファイティングポーズを取っているのかが問われる。われわれメディア全体をもう一度見つめ直す機会にしなければいけない。
論点を換えるのは、いい加減やめて下さい。
ちなみに、当時話題となった『NEWS23』岸井成格氏、『報道ステーション』古舘伊知郎、『クローズアップ現代』国谷裕子氏のいずれも国家権力に萎縮してキャスターを辞めたことを否定しています。日本の報道の自由度が低い最大の原因は、記者クラブによる国内外のジャーナリストの排除です。
そんなことよりも日本のメディアの最大の問題は、安倍政権に対してはモリカケという「なかったこと」を「あったこと」にし、ジャニーズ事務所に対しては性加害という「あったこと」を「なかったこと」にする仰天の偏向報道です。青木氏が『サンデーモーニング』で拡散した「汚染水放出デマ」も放射線汚染という「ないこと」を「あること」にして、権力者ならぬ弱者に風評被害を与えたものです。本当に国民は迷惑しています。
個人ブログ「マスメディア報道のメソドロジー」にて、論理学や心理学の定義に基づいた、メディアの報道・政治家の議論における論理的誤謬などの問題点を指摘。「ひるおび」「報道ステーション」「NEWS23」「サンデーモーニング」などの具体的な放送内容や議員の答弁、記者の発言などを例示しての論理的な分析が話題を呼んでいる。記事の一部を言論プラットフォーム「アゴラ」にも転載中。