「ポスト菅」に名前がなかった男
安倍前総理が26日発売の月刊『Hanada』で「ポスト菅」候補として茂木外相、加藤官房長官、下村政調会長、岸田前政調会長を挙げたことにさまざまな反響がある。
石破元幹事長は28日、TBS(東京放送)のCS番組で「党総裁を決めるのは党員で、前総理ではない」と述べたそうだが、この辺が石破氏の政治家として、人としての足らざる点ではないか。
安倍前総理はインタビューで聞かれたので現時点における思いを話したことと察する。それに真っ向から否定するような対応では、政治家としての基本が欠けている。
選挙で選ばれた国会議員は、一癖も二癖もある人たちだ。それらを束ねるには、相当な胆力と懐の深さが求められる。石破氏が仲間が増えていかないのは、政治家である前に人としての矜持が足りないからではないか。
安倍前総理は菅総理を「1年で変えるべきではないし支えていく」と明言している。秋の総裁選挙では当然、菅総裁再選である。その後、安倍前総理が名前を挙げた人たちがどう国家・国民のためアピールしていくかである。
昨年、月刊『Hanada』9月号で当時の安倍総理が「菅官房長官も有力な後継候補です」と発言、菅官房長官が大ブレークし、総理総裁となっていった。この段階での安倍前総理の発言は極めて重みのある、示唆に富んだ、さらに経験からくる読みの深さ等、もろもろを踏まえての現実的な考えと私は「ごもっとも」と評価したい。
(2021年5月31日「ムネオ日記」)
1948年、北海道足寄町生まれ。新党大地代表。拓殖大学在学中から故中川一郎氏の秘書を務める。83年、衆議院議員に初当選。第2次橋本内閣で国務大臣 北海道・沖縄開発庁長官、小渕内閣で内閣官房副長官を務める。2002年6月、あっせん収賄容疑で逮捕。05年8月、新党大地を結成。09年9月、衆議院外務委員長に就任。10年9月、実刑判決が確定し、12月に収監。11年12月、仮釈放される。17年4月、公民権が回復し、19年7月の参院選で当選。