国際協調主義の重要性は理解できますが、専制国家の中露が絶対的な拒否権を行使する国連安保理でその実現を目指すのは、必ずしも国際平和に貢献するとは限りません。
本当に「米国のダブル・スタンダード」なのか
また、『サンデーモーニング』にありがちですが、「イランの核を認めずにイスラエルの核を認めるのは米国のダブル・スタンダード」と社会に喧伝するのも不合理です。
確かに核不拡散条約(NPT)で核兵器が認められている国は米英仏中露の5カ国のみであり、実質的な核保有国であるインド・パキスタン・イスラエルに核保有は認められていません。
イスラエルが核を保有したのは50年以上も前の話ですが、米国を含めた国際社会は、イスラエルに対して核を廃棄するよう求め続ける必要があります。ダブル・スタンダードは倫理的に許されません。
ただし、ダブル・スタンダードを根拠にイランの核保有を認めるということになれば、それは完全な論理的誤謬です。
非核保有国の核保有を阻止することは国際社会に課された至上命令です。
現実の世界に求められるのは、核保有国を目指す非核保有国に対して、強力な制裁をかけ続けることであり、それでも従わない場合には、国際社会が強制力を使う必要があります。
しかしながら、機能不全に陥っている現在の国連はその使命を果たせません。
このように、核保有国を目指す非核保有国に対する攻撃の可否は、「トロッコ問題」と類似した倫理的に極めて難しいジレンマなのです。米国の攻撃を非難するのは簡単ですが、長期的な視点から見れば必ずしもその非難が正しいとは言えません。
現実問題としてイランはバンカーバスターでも破壊できない堅硬な岩盤内に核濃縮施設を保有しているのです。
松原耕二氏:米国が今年1月に発表した国家防衛戦略でも、中東からは米国が引くのでイスラエルに任せるようなことが書いてあるんですね。イスラエルにやってくれと。そしてベネズエラもああいうことがありました。そしてキューバも軍事を使うかどうかは別にして支配したいと言っているのです。
だから今回の動きを観ていても、本当に新しい帝国主義と実感しますね。
トランプ氏の発言は過激であり、大きな問題があります。
ただし、それを「帝国主義」と安易に認定するのは必ずしも妥当ではありません。イランもベネズエラもキューバも国民の生存権をも蹂躙している専制支配国です。その国々に対して自由と民主主義を提供しようとするトランプ氏のスタンス自体は前進に値します。
松原氏もイランの人権蹂躙に対しては強く問題視していたはずです。


