米イラン衝突拡大 日本のサラブレッドに迫る戦火|小笠原理恵

米イラン衝突拡大 日本のサラブレッドに迫る戦火|小笠原理恵

米イラン衝突は、もはや遠い中東の出来事ではない。湾岸全域が戦域化するなか、その影響は日本にも及びつつある。石油備蓄やエネルギー価格の高騰については多く報じられているが、見落とされがちな問題がある。邦人保護は万全なのか。そして、国際舞台に立つ日本のサラブレッドの安全は守られるのか。戦火は思わぬところに影を落としている――。


報じられない「日本の宝」、どう守る?

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日本にとって影響は邦人保護だけにとどまらない。アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでも迎撃が確認され、同国最大の商業都市ドバイを含む湾岸都市圏全体が緊張状態に置かれている。

そのドバイで3月、世界最高峰の競馬イベント「ドバイワールドカップデー」が開催される予定だ。今年は多くの日本馬が招待され、海外遠征組はすでに現地入りし、最終調整に入っている。
イランへの攻撃が始まった直後、競走馬育成に関わる関係者から連絡があった。

「今年はフォーエバーヤングも出走予定で、事態はさらに深刻です。馬が無事であっても、空域閉鎖などで帰国が遅れる可能性がある。長期滞在になれば馬のコンディション維持も難しくなる。騎手の現地入りも影響を受けるのではないか。人間は最悪の場合、自衛隊機で輸送できるかもしれないが、サラブレッドはどうなるのか」

現地ドバイにはJRA所属の競馬関係者も滞在している。鈴木農水大臣には、競走馬を含む関係者の状況について報告があったとされ、「邦人保護を第一に、政府を挙げて万全を期す」とのコメントが日刊スポーツで報じられている。

もちろん、邦人保護は最優先である。しかし、今回の事態は日本のサラブレッドにも直結している。
競走馬は単なる資産ではない。何世代にもわたり血統を重ね、選抜され、育成されてきた日本の競馬文化の結晶だ。フォーエバーヤングのようなトップホースは、日本競馬の国際的評価を左右する存在でもある。

仮に中東の航空路・海路が不安定化すれば、馬の帰国スケジュールは流動的になる。空輸が制限されれば輸送方法の再調整が必要となり、長期滞在は飼料・医療体制・調教環境の維持に新たな課題を生む。

戦争は人間だけの問題ではない。国際イベントに参加している競走馬の安全確保、輸送ルートの確保、危機時の対応手順は、これまで十分に議論されてきただろうか。

日本のサラブレッドは、国際舞台で戦う「日本の宝」だ。その安全についても、政府には、明確な説明と具体的対策を示す責任がある。

『こんなにひどい自衛隊生活』

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