安全保障で誰の安全が守られているかと言えば、疑いの余地もなく、国民全員の安全です。
みたらし氏が何を言いたいのか意味不明ですが、国家の安全保障によって国民全員が覇権国家による侵略から等しく守られることになります。
みたらしは防衛費の財源と社会保障について危惧していますが、防衛費は現在から将来にわたる国民の存亡に関わる出費なので、償還期限の長い国債で賄うのが論理的です。
また、社会保障は社会が社会内部を守る保障であり、安全保障は社会保障を可能とする社会を外部の社会から守る保障です。つまり、安全保障が担保されていなければ、社会保障は担保されません。安全保障は社会保障の前提条件なのです。
さらに、みたらし氏は国家防衛と性暴力防止を同列化していますが、国家防衛は安全保障の課題、性暴力防止は警察の課題です。一部の犯罪者の存在を根拠にして国家防衛を否定するのは非論理的です。
ちなみに、日本国内における性暴力の加害者は日本人が圧倒的多数を占めています。統計的な根拠を示すことなく外国人を日本人と区別して問題視するのは、国籍差別に他なりません。
なお、みたらし氏は勘違いしているようですが、緊急事態時(有事)の食料安全保障は、食料自給率によって確保されるのではなく、現実的には自由貿易と友好国からの食糧支援によって確保されます。食料自給率が重要になるのは世界全体の食料需給が逼迫した時に限られます。
以上のような木を見て森を見ないアクロバティックなコメントは視聴者にとって有害であると考えられます。
メディアがテロリズムにインセンティヴを与えた
さて、番組は、安倍元総理銃撃事件の初公判について報じ、次のようなコメントがありました。
松原耕二氏:私は裁判の行方だけでなくて同時に見ておかなければいけないものがあると思っているのですが、それは安倍氏の殺害事件をきっかけに、自民党との関係が次々と明らかになったわけですね。
ところが自民党は、組織的なつながりはないと言うばかりで、例えば1960年代から自民党との関係が続いているのにこれについても、そして安倍氏と教団との関係も、亡くなったわけだからということで、なんら深い調査をしようとしていないわけですよね。(中略)
そちら(旧統一教会)の方の責任は着々と進むなかで、政治の側は自分たちの検証を踏み込まないままでいるんですよと。このことを私は忘れてはいけないと思っています。
検察側は「非常に著名な安倍氏を襲撃対象とすれば、教団の活動実態に社会の注目が集まり、批判が高まる」と山上容疑者が考えたと冒頭陳述で述べています。
つまり、一部マスメディアと一部政治家は、テロリストの事実上の代理人として、その思惑通りに、罪もないテロリズムの被害者を問題視し、テロリズムにインセンティヴを与えたことになります。
このことを絶対に忘れてはいけません。この裁判はこれから本格化します。
マスメディアのスタンスを今後も注視していきたいと思います。
    

