専制支配者は被爆の悲惨さを意に介さない
2024年10月13日の『サンデーモーニング』は、トップニュースでノーベル平和賞に日本被団協が選ばれたことを報じました。
膳場貴子氏:週末、日本が、世界が、注目する嬉しいニュースが舞い込んできました。
アナウンサー:金曜日、今年のノーベル平和賞が発表され、68年にわたり核兵器の廃絶を訴えてきた日本の被団協が選ばれました。世界が評価した、その活動とは。
ノーベル委員会ヨルゲン委員長:核兵器は80年近く戦争で使用されていません。日本被団協と被爆者団体による並々ならぬ努力は「核のタブー」確立に大いに貢献してきました。
日本被団協 代表委員(当時)坪井直氏:あきらめるなよ、ネバーギブアップ!
アナウンサー:しかし、その思いとは別の方向へ、世界、そして日本も進んでいきます。原爆投下から来年で80年。平和賞の受賞決定は、変化へのスタートラインとなるのでしょうか。
ノーベル平和賞に「日本被団協」 世界が評価した「核のタブー」とは?【サンデーモーニング】 | TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/148638810月11日、今年のノーベル平和賞が発表され、68年にわたり、核兵器の廃絶を訴えてきた、「日本被団協」が選ばれました。世界が評価した、その活動とは。ノーベル委員会 ヨルゲン委員長「2024年のノーベル平和賞は…
被団協が68年間にわたって世界の市民に被曝の悲惨さを伝えてきたことについては高く評価を受けるに値すると考えます。多くの努力も注ぎ込まれたものと拝察します。しかしながら、その成果である「核のタブー」が核廃絶に有効かといえば、本当に残念ながら、影響は小さいと考えられます。
核の悲惨さを訴える啓蒙活動は、民主主義国家の市民を説得し、市民の代表である政治家に「核のタブー」を徹底させることには有効と考えられます。
しかしながら、核兵器を所持する中露や核を所持すると考えられる北朝鮮は、市民の権力が及ばない専制国家であり、倫理のカケラもない専制支配者の倫理に訴えて核廃絶を求めるのは極めて困難であると考えられます。
専制支配者にとって、核兵器は我が世を守るための命綱であり、被爆の悲惨さを訴えても意に介さないことは自明です。
核の悲惨さを訴える啓蒙活動が核廃絶を政府に求める活動に変化した結果、日本で何が起きているかと言えば、本末転倒なシチュエーションです。
すなわち、日本の民主主義政府が活動家から強力な圧力を受けて自国民を守る防衛政策に制限が加わる一方で、活動家から圧力を受けることのない覇権国家の専制支配者が日本国民への攻撃能力を相対的に高めるという理不尽な状況が発生しています。
つまり、活動家が、啓蒙活動の範囲を超えて日本のような民主主義国家に核廃絶を求めることは、覇権国の専制支配者にとっては願ったり叶ったりの構図を生んでいるのです。