なぜか安倍・岸田事件には触れない
2024年7月21日の『サンデーモーニング』の「風をよむ」は、トランプ大統領銃撃事件に関連した「分断と暴力」をテーマにしました。
トランプ氏暗殺未遂だけじゃない 専門家「むしろ欧州の方が懸念が高い」“政治家への暴力”が増加した背景【風をよむ】サンデーモーニング | TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1308092今後のアメリカ大統領選挙の行方を、左右するかもしれない、トランプ前大統領を狙った銃撃事件。こうした暴力はいま、広がりをみせていますトランプ氏の支持者「事件があって、トランプ氏がいかに強い男か分かった…
膳場貴子氏:今後の米国大統領選挙の行方を左右するかもしれないトランプ前大統領を狙った銃撃事件、こうした政治への暴力が拡がりを見せています。(中略)
今回の事件、犯人の動機や政治的信条は明らかとなっていません。にもかかわらず、両陣営の対立があおられる事態となりました。こうした中、今アメリカでは、政治家への暴力に関して、心配なデータがあります。
今年3月、アメリカの公共放送PBSなどが行った世論調査で、「国を立て直すためなら、暴力に訴えざるをえないか?」との問いに、「そう思う」と答えた人がおよそ2割にのぼったのです。こうしたアメリカの状況について、国際政治学者の藤原帰一さんは…
藤原帰一氏(VTR):暴力による威迫はかなり増えていると言っていい。何よりも(前回の)大統領選挙の後、群衆がまさに力を使って議事堂に乱入し、さらに大きな暴力に発展する可能性がある事件だった。
また、ペロシ元下院議長の夫がハンマーで襲われた。様々な暴力の行使が続けられた。他方では、政治における暴力は、むしろヨーロッパの方が懸念が高い。
膳場貴子氏:今年5月、スロバキアでは、白昼の街中でロシア寄りとされるフィツォ首相が銃撃され、一時命に関わる事態に。
さらに今年5月、ドイツで中道左派の与党に属するエッケ欧州議会議員が黒ずくめの集団に襲われ、顔などに大けがを。またその4日後には、同じ政党に所属する、ギファイ前ベルリン市長も…。
一方で、6月、開かれた極右政党の党大会では、2万人が抗議に押し寄せ、一部が暴徒化し、警察に拘束される事態に。暴力が蔓延する社会の危うさについて、藤原さんは…
藤原帰一氏(VTR):ヨーロッパでもアメリカでも政治、社会の分断が極端に広がっている。社会の分断が政治の暴力化につながる現象を見ることができる。暴力によって、自己実現をすれば、それを支持する人も増えていく。力によって政治を変えようとする人の数が決して多くないとしても、その活動によって政治、社会が変わってしまう可能性は常にある」
膳場貴子氏:許されないはずの暴力が、なぜ今、広がりを見せているのでしょうか…
トランプ大統領銃撃事件をめぐる「政治家に対する暴力」というテーマであるにもかかわらず、『サンデーモーニング』は、仇敵を被害者ポジションに置きたくないのか、同様の事例である安倍晋三元首相銃撃事件や岸田文雄首相襲撃事件について制作VTRで触れることはありませんでした。
あくまで欧米における「政治家に対する暴力」を特集した形ですが、非常に残念ながら、「政治家に対する暴力行為」という問題において、日本には他国を心配している余裕はありません。というのも、日本では政治家に対する脅迫が頻発しているからです。
『サンデーモーニング』は、この暴力の理由を「国民の分断」に求めましたが、あえて言えば、日本において国民を分断させてきたのは『サンデーモーニング』をはじめとする左翼メディア・政治家・活動家に他なりません。