最終処分まで数百年程度の時間稼ぎ
現在の使用済燃料の保管は多くが湿式ですが、乾式も次第に増えてきています。キャスクは野外にも設置でき、その寿命は50~100年程度とされています。
ただし、六ヶ所村の「中間貯蔵」の敷地を利用するなどして、この乾式による「暫定保管」を繰り返せば、最終処分まで数百年程度の時間稼ぎが可能になると考えられます。
最終処分場の選定は、この猶予期間内に行えばよいことになります。数百年という時間は、岩盤の物理探査技術・廃棄物の再処理技術・放射性物質の遮蔽技術をはじめとする工学技術の向上を十分に期待できる時間です。
考えてみましょう。産業革命から現在に至るまで僅か200年程度しか経過していません。キャスクの長期耐久性が改善され、軍事的セキュリティの問題が解決すれば、地層処分自体も必要なくなる可能性すらあります。
なお、高レベル放射性廃棄物の地層処分にあたっての地質環境・工学技術・安全評価に関する科学的体系は20年以上前に完成しており(JNC2000年レポート「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性」)、すぐにでも処分場を建設可能です。
以上を踏まえた上で『サンデーモーニング』のコメンテーターの発言を紹介したいと思います。