「独裁」と「専制」は違う政治体制
2024年12月29日の『サンデーモーニング』では、いくつかの箇所でテレビ・メディアの傲慢さが溢れた放送でした。
松原耕二氏:ロシアとかイスラエルの強気の姿勢の揺るぎなさ・頑なさのようなものをものすごく強く感じると同時に、是非指摘しておきたいのは、それに相対するような形で西側諸国の民主主義の揺らぎのようなものが見える。今年は、振り返ると選挙イヤーと言われるほど、かつてないくらいの西側諸国の民主主義国で大きな選挙があった。そこで、120年間で初めてと言われるほど、軒並み政権与党、現職が敗れている。これは何が起きているのかと。
つまり、我々は独裁というと、上から押し付けられるようなイメージをもつが、今起きていることは下から選挙で国際的なリーダーを選ぶようになってきたということなんだと思う。それは今の政治が人々の不満を救い切れていないこと、もう一つは真偽不明のいろんな情報がSNSに流れて、これで直接繋がっているということだと思う。だから民主主義の実験は来年も続くと思うし、われわれメディアも含めて、どういう情報を流すべきかをしっかり考える年にしたいと思う
まず、松原氏は「独裁」と「専制」という政治体制の違いを理解していないようです。
【独裁主義 despotism】は【独裁主義 despotism】は民主主義の一形態であり、国民によって合法的に選ばれた代表が強大な権力を持つ政治体制であり、上から押し付けられるものではありません。
上から押し付けられるのは、私人である被治者が被治者の自由権を強く制限する【専制主義autocracy】です。
まさに、テレビが主導した斎藤元彦兵庫県知事のパワハラ・おねだり疑惑騒動は、このコメントにも大きく関連してきます。松原氏は上から目線でSNSを批判していますが、斎藤知事問題で真偽不明の「兵庫県職員アンケート」の情報をあたかも真実のように公共の電波で流したのはテレビであり、この混乱を根拠に真偽不明のままに県民が選んだ知事を辞任させたのは県議会です。
これは「民主主義の実験」というよりは反民主主義そのものです。