与党に「中国共産党」を抱える、日本の悲劇|門田隆将

与党に「中国共産党」を抱える、日本の悲劇|門田隆将

上程されず、葬られた対中非難決議。池田大作氏以来“中国絶対”を続ける公明と媚中派が牛耳る自民執行部が、どのように対中非難決議を握りつぶしたのか。その舞台裏に迫る!


日本は中国の属国と化したのか

あらゆる意味で、日本がいかに中国共産党の“影響下”にあるかを証明してくれた国会だった。

欧米各国が中国へのジェノサイド認定を経て、実際に制裁に移っているのに、日本では非難決議すらできない。いつから日本は中国の属国と化したのか――そんな声が飛んだ内幕を見てみたい。
 
非難決議に対して「公明党から日米首脳会談“前”の決議は勘弁して欲しい」との「要請」が入ったのは四月初め。これを推し進めるチベット議連(下村博文会長)、ウイグル議連(古屋圭司会長)、そして発足したばかりの人権外交議連(中谷元・代表)にほぼ同時に「大丈夫か」との懸念の声が上がった。
 
その段階で「共産党も含む全野党が賛成してくれる」との感触を議連側は得ていたが、親中勢力の公明党と、二階俊博幹事長らを中心とする自民党内の“決議阻止勢力”の方の障害がはかり知れないと見ていたからだ。
 
さる政治部デスクがこう解説する。

「国会決議は全党一致が原則。五五年体制の中で長く慣例化してきた。自民から共産、社民に至るまで全党一致なんてそんな問題がそもそもあるのか、という話ですが、この対中非難決議には共産も早々と賛意。むしろ自民公明の与党執行部にそれを承諾する意図があるのか、ということになっていました。特に与党の“二幹二国”が最大のネックでした」

動いた下村博文氏

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