【独占手記】私を訴えた伊藤詩織さんへ「後編」|山口敬之

【独占手記】私を訴えた伊藤詩織さんへ「後編」|山口敬之

「あなたは性犯罪被害者ではありません。そして、自分が性犯罪被害者でない可能性があるということを、あなたは知っています」。2017年9月21日、検察審査会は「不起訴処分は妥当」との最終結論を出し、刑事事件としては完全に終結した――はずだった。しかし、9月28日、伊藤詩織さんは東京地裁に損害賠償訴訟を提起。沈黙を守ってき山口敬之氏が、ついに、口を開く――。「レイプ犯」と呼ばれ、社会から抹殺された男の、静かなる告白!(肩書は当時のママ)


権力によって「もみ消された」と主張するおかしな面々

結局、今回の出来事は、突き詰めれば「飲みすぎたあなたが、自分のしたことを忘れてしまった」というだけの極めてシンプルな、よくある些事でした。

もちろん、権力の不正や政治的主張とは全く無関係でした。
 
しかし「犯罪事実がなかった」という事実を認められないあなたが、「薬を盛られた」という妄想を起点として、犯罪をあったとするストーリーを創作し、自ら作り上げた虚構を信じ込んだために、「逮捕され起訴され有罪判決を受けるべき事案が権力にもみ消された」と主張するに至った。

そして、どういう思惑と連携があったかは知りませんが、複数の野党の国会議員や支援者があなたを支援し、私を罵倒し続けた。そして私に対する攻撃は、未だに続いています。
 
万が一、あなたの主張どおり、裁かれるべき犯罪が不透明な政治力によってもみ消されたり不問に付されたのであれば、それは大変な問題です。
 
しかも今回あなたは、まったく別個に機能した「警察」 「検察」 「検察審査会」のすべてが、それぞれに政治的に歪められたという、とんでもないことを主張しているのです。

非常に重要なことを主張するのですから、「上からの力を感じた」 「事件が消えてしまう」 「ブラックボックス」というような抽象的な、あるいは情緒的な表現でなく、具体的に問題点を指摘して下さい。
 
私を犯罪者に仕立て上げて刑事罰に処すというあなたの企てが最終的に失敗に終わってなお、不正があったと言うのであれば、「警察」 「検察」「検察審査会」それぞれについて、何が起きたのか。

それを具体的に示すのはあなたの責任です。

「勇気ある女性」ではなく、「偽りの女王」

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