今こそ、旧宮家の男系男子の皇籍復帰を!|和田政宗

今こそ、旧宮家の男系男子の皇籍復帰を!|和田政宗

皇室は我が国の根幹であり、我が国の歴史そのものである。日本共産党の志位委員長はかつて、「多様な性を持つ人びとが天皇になることも認められるべきだ」と述べたが、これは皇統の破壊である。こうした論を無意味にするために今やるべきこととはなにか。


「女子・女系への拡大」を上書きした菅内閣

11月10日、自民党は、安定的な皇位継承を実現するための総裁直属の新たな組織を立ち上げることを正式に決めた。旧宮家の男系男子の方々の皇籍復帰に向け、議論を進め速やかに手を打たなければならない。現在の状況では、悠仁親王殿下が天皇陛下に即位される時に、同世代の男系男子皇族がいらっしゃらないということになる。

昭和天皇の秩父宮殿下をはじめとする弟宮、上皇陛下における常陸宮殿下、天皇陛下における秋篠宮皇嗣殿下。これまでは、弟宮や同世代の男系男子皇族が必ずおられた。悠仁親王殿下に男子の皇子が誕生すれば、それで皇統は守られるから良いという問題ではないのである。

天皇陛下を支える皇族として、そして皇統の安定継承のためにも男系男子の方々の皇籍復帰は我が国の将来にとって必須なのである。

一昨年までは、皇位継承の女系への拡大や女性宮家の創設など、我が国の歴史と先例を無視した、皇室の将来が危惧されるような議論があった。

それは、平成17(2005)年の小泉純一郎内閣における「皇室典範に関する有識者会議 報告書」において、安定的で望ましい皇位継承のための方策(提言)として、『女子・女系への拡大は、社会の変化の中で象徴天皇制を安定的に維持する上で、大きな意義』としたうえで、皇位継承順位は『「長子優先」又は「兄弟姉妹間男子優先」が適当』と明記されたからである。

この報告書を受けた政府与党の検討や実行は、翌年の悠仁親王殿下の御誕生により行われることはなかったが、この報告書が残ることにより、女系への拡大や女性宮家の創設といった議論が潰えることはなかった。

しかし、ついにこの報告書を上書きすることができた。それは、令和3(2021)年の菅義偉内閣における「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に関する有識者会議 報告」である。

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楠木正成公を輩出した和田一族の使命

この報告では、「今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」とした。すなわち、男系男子での皇位継承を行っていくことを明記し、女系への拡大を否定したのである。

さらに、「現在、悠仁親王殿下以外の未婚の皇族が全員女性であることを踏まえると、悠仁親王殿下が皇位を継承されたときには、現行制度の下では、悠仁親王殿下の他には皇族がいらっしゃらなくなることが考えられる。

皇族数の確保を図ることが喫緊の課題」とし、その具体的方策として、
①内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持することとすること、
②皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とすること、
③皇統に属する男系の男子を法律により直接皇族とすること、が記された。

これにより、旧宮家の男系男子の方々の皇籍復帰の道筋が大きく開けたのである。

①については、過去、徳川第 14 代将軍家茂と結婚された和宮親子(ちかこ)内親王の例があるが、女性宮家の創設、新設は先例がなく、これを認めるものではない。女性宮家の過去例として、江戸時代に桂宮家を淑子内親王が継がれた例が1例あるが、これは継承であり、創設ではない。

そして、②、③にあたる旧宮家の男系男子の方々の皇籍復帰についてはいくつもの先例がある。民間人としてお生まれになり後に皇籍復帰し、復帰後に天皇に即位された第60代醍醐天皇の例がまさにそうだ。

過去、応神天皇の5世孫であった継体天皇の例をはじめとし、先人たちはこれまでも安定的な皇位継承に力を尽くされてきた。今こそ、旧宮家の男系男子の方々の皇籍復帰を実現していかなくてはならない。

実現のための議論を行う党内の組織がどのような形態になるかはまだわからないが、私は議論において自民党をけん引し必ず実現する。それが、一族から楠木正成公を輩出した和田一族としての使命であると考えるし、一族の先人たちがそうであったように私は皇室のために身を賭していく。

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