難波静岡市長に騙されるな!リニアの“救世主”ではない、これだけの理由|小林一哉

難波静岡市長に騙されるな!リニアの“救世主”ではない、これだけの理由|小林一哉

リニア問題解決の“救世主”のように扱われて難波市長。 しかし、当事者たちからは新たな“厄介な存在”と警戒の声も。 難波市長の“真意”はいったいどこにあるのか。 地元記者が、難波市長のリニア妨害の“前科”を暴く!


難波市町の真意はどこにあるか

4月13日、川勝知事を表敬訪問した難波市長(静岡県庁、筆者撮影)

「リニア中央新幹線の推進に一筋の光明が差し込んだ」
 
5月5日、そんな書き出しで、リニア問題解決に大きな期待を寄せる夕刊フジ・ウェブ版記事が公開された。
 
インターネットのニュース番組「百田尚樹・有本香のニュース生放送 あさ8時!」の4月26日放送にリモート出演した難波喬司静岡市長の発言が、まるで「反リニア」を貫く川勝平太静岡県知事に対抗するかのように受け取られ、非常に好感を持たれたのだ。
 
夕刊フジは、ニュース番組に登場した難波市長がリニア問題解決の“救世主”になると勘違いしたようだ。

そのような報道について、筆者は、県リニア専門部会当時の難波副知事の口ぐせをまねて、「はっきり言って、間違いである」と断言したい。
 
市長選出馬に当たって、自民党、公明党などの推薦を受けるために、「リニア推進に協力する」と難波市長が唱えていたのは事実だが、いずれ“化けの皮”がはがれると見ていた。夕刊フジは、表面的な難波市長の発言に惑わされてしまったのではないか。

副知事時代のリニア会議で、どんなに誠実に説明を尽くしても、会議の最後でJR東海の説明に不満を持ち、ばっさりと切り捨て、さらなる混乱を巻き起こすのが、難波市長の得意技だった。

川勝知事が記者会見で、難波副知事の発言を踏まえて、JR東海を批判する連携プレーが“恒例行事”となっていた。
 
当然、政治家となった現在では、副知事時代ほどの口調の激しさはなくなった。ただ、ニュース番組での難波市長の発言をちゃんと聞いていれば、どこに“真意”があるのかはっきりとわかる。

大井川流域の市長は警戒

静岡県のリニア問題で、副知事時代の難波市長がどんな役割を果たしていたのか、筆者はもちろんのこと、何よりもJR東海が十分、承知している。
 
リニア工事の権限を持つ静岡市長に難波氏が就いたことで、新たな厄介なタネとなることをJR東海は恐れている。

新たな厄介のタネの始まりは、4月13日午前の市長就任会見だった。
 
会見の中で、難波市長は「静岡市も大井川流域であり、大井川利水関係協議会に加わらない選択はない、加わるしかない」などと何をおいても、リニア問題に介入することを宣言してしまった。
 
前日の12日付中日新聞は1面トップで、就任直後の難波市長に単独取材した独自ネタの記事をでかでかと掲載した。その記事の中に、就任会見で述べた難波市長の大井川利水関係協議会に加入する意向が明らかにされていた。
 
県と流域市町の不協和音がある中、難波市長が両者の間に立ち、リニア議論の推進役を果たしたいのだ。

 
大井川利水関係協議会は、リニアトンネル工事による大井川水系の水資源の確保及び水質の保全等に、県と流域の10市町長らの関係者が一体となって対応するための組織であり、発足当時の県責任者は難波副知事だった。
 
川勝知事は4月13日午後の会見で、難波市長の大井川利水関係協議会入会に触れて「もっともなことだ。歓迎する」などもろ手を挙げて大賛成した。

 
このような流れの後、難波市長は協議会メンバーの島田市、焼津市、藤枝市などの首長を訪ねて、入会を打診した。ところが、川勝知事とは違い、各首長とも難波市長の入会に消極的な姿勢を見せた。
 
なぜか?
 
各首長とも難波市長を“真意”を警戒しているからだ。

静岡市が大井川利水関係協議会に加入する理由などないことを各首長たちは十分に承知している。
2018年夏に大井川利水関係協議会は発足したが、それ以前から政令市の静岡市はリニア問題について、静岡県や流域市町と同一歩調を取らずに独自に対応してきた。

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