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書評:宇佐美典也『逃げられない世代――日本型「先送り」システムの限界』

宇佐美典也『逃げられない世代 ――日本型「先送り」システムの限界 (新潮新書)
 
内政も外政も先送りの許されない「苦難の時代」を迎える2036年。1981年生まれの著者と同世代の日本人は、身を削りながら上の世代の老後を支え、下の世代に苦労を残さないよう福祉システムを再構築し、中国の脅威も退けなければならない。まさに「逃げられない」世代だ。

その「逃げられない世代」が直面する苦難を悲観も楽観も排した筆致で分析していく。それでいて、その先にある「光」も見えてくるような作りになっているのが救いだ。同年代の読者には、「ともに国難に当たらなければならない者同士」としてのほのかな連帯感すら感じさせてくれる。

不毛な争いばかりでラチのあかない国会の問題点も鋭く指摘。与野党ともに国民からの批判は後を絶たないが、本書では制度的に「そうならざるを得ない」点が解き明かされており、うわべだけではない、本当の「国会改革」の必要性を突きつけられる。

まず必要なのは現実を直視すること。本書がその手助けをしてくれる。
 

新潮新書 864円(税込)

頑張りすぎないことも大事です。

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